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君は君
僕は僕
「「それが世界の常識」」
本当に・・・?
ねぇ、君は誰?
僕?僕は・・・僕だよ。
何で断言できるの?君は僕かもしれないよ?
だって、僕は僕で君は君なんだもの。違うものになんかなれないよ?
本当に?
本当だよ。当然じゃない
ふーん。じゃあ、交換してみようか?君は僕になって僕は君になるの
無理だよ。そんなこと。できるわけないじゃない
分からないじゃない。実験してみないとさ?
・・・どうやって?
簡単だよ。目を開けてごらん?
太陽の日差しがまぶしい
のっそりと起き上がり辺りを見渡す
毎日見飽きた光景だ
「ほら、僕は僕でしかない。違う誰かじゃないよ」
鏡を見てそう呟く
変な夢だった。
「本当に夢なのかな?」
自分の意思とは関係なく口が動く
声音が違う・・・
そう気づくと同時に慌てた
誰?何が起きたの?
「君は言っていたじゃない。僕は僕だって。だったら今僕はその言葉を君に返そう。『僕は僕だよ』」
クスクスと笑いながらそう言う
自分であって自分ではない。
自分の意思では動かない体に愕然とする
どうして・・・?
「どうして?それは僕が言ったじゃない。交換して実験してみようって」
交換・・・君と僕が交換・・・?
君は・・・誰?
「僕は僕だよ?」
つまり・・・僕であって僕でない存在?
「難しく考えるなー。僕は君で君は僕なんだよ?」
つまり・・・
僕なんだよ?
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