『Trick or treat!!』
そろそろ寝ようと布団にもぐろうとしたとき、突然少年が窓を開けて入ってきた
「な、なんだ?!」
ここは2階。しかも道路側に面した部屋のため窓から侵入してくる者など普通はいない
『Trick or treat!お菓子くれるのか?それともいたずらして欲しいのか?』
可愛い少年の姿をしているにもかかわらず態度がでかい
「大人をからかうな。ほら、どうやって侵入したのかはしらないが、子供の時間はもう終わりだろ?さっさと帰らないと親が心配するぞ」
『は?悪いが俺は子供じゃねぇよ。最後だ。Trick or Treat、どうするんだ?』
問いながら、コチラに向かってくる少年
「どう見ても子供だろ?それに、悪いがココは男の一人暮らしの家だ。俺も菓子なんか食わないから置いてないんだ。悪いな。ほら、早く帰りな」
そう言ってドアを指した
しかし、そいつはニヤリと笑うだけでこちらに向かう足を止めない
それどころか、俺が座るベッドに片膝を乗せる
『いたずら、でいいよな?』
確認するようにそう言いながらも、俺の返答を聞く前にグッと後ろに押し倒された
「ちょ、お前!」
『言ったろ?Trick or Treat。お菓子かいたずらか・・・ってな?悪いな。俺も仕事なんだよ。それに、お前すっごく好みだから今日1日ずっと狙ってたんだよね』
「ど、どういうことだよ」
ジタバタと暴れて逃れようとしたがあっという間に押さえ込まれ、両手を何かで縛られる
『それはいたずらの合間に教えてやるよ』
そう言いながら俺の額にキスをする
逃げたくても逃げられない
コイツは何者なのか・・・なんで俺がこんな目に・・・
『ハロウィンだからね?あと数時間だけど、今日が終わるまで、俺の時間だ』
ハロウィン・・・
『お菓子を用意してなかったのが運の尽きだったね。俺はラッキーなんだけどさ』
Trick or Treat!
彼は一体誰で何者なのか
それは、彼に気に入られた者だけが知る
END
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