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志乃の不定期更新日記
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昨日・今日と拍手が多くてびっくりしました!
押してくださってる方ありがとうございます!!

メインの方も頑張らねば!!と思いました←
いや、ちょこちょこ書いてはいるんですが更新できる分量じゃないんですよね;(と、言い訳してみる)


さて、今日もお天気シリーズです。
あ、前回後2話で終わらせたいと書きましたが、なんとか2話で終われそうです!!

では、今回は9話目です★



----------------------



布団の中でゴロンと寝返りを打って、枕に顔を押し付けた
昨日から、色んなことがあって頭の中がまだうまく整理できていない。
うちにできた借金が実は従兄のせいだったこと、本当は俺は返済のために労働をする必要はなかったこと、でも、父さんには紡兄さんが作った借金の「連帯保証人」というのになっているせいで代理の借金があること。
それらを一気に説明されてすぐに、自分はどうするか、なんて、まだ考えられなかった

学校は労働を強制させたお詫びに東雲さんと沢木さんが資金を援助してくれるらしい。
でも、それは結果的には父さんの借金返済を楽にすることに繋がるのだから俺にとっては有難い申し出だと思う。
それに、東雲さん達は俺に返済を強制しないと言ってくれている。

と、なると…残る問題は、俺が施設に行くか、東雲さん達にお世話になるかのどちらかを選択しなければいけないということだろう。
東雲さん達は俺によくしてくれているし、1週間一緒に過ごしてみて、どうしても嫌だと思うような人たちではなかった。
まぁ、母さん達がどこにいるかもわからないっていうことや借金のことがあったからそっちで頭がいっぱいで何も考えていなかっただけだろうけど
それでも、ちゃんと衣食住の提供はしてくれた。

…やっぱり、俺は施設に行く方がいいかもしれない。

母さんと父さんはいつ帰ってくるかわからないし、それまでお世話になるとしても、高校を卒業しても帰って来なかったら、俺はそこでまたこれからどうするべきか悩むだろう
施設なら、退所しなければいけない時期が明確に決まっている
それに、母さん達も連絡を取りやすいかもしれない。

うん。そうしよう…

布団の中でそう決めた翌日の朝。
起きてリビングへと出ると、沢木も東雲もこの部屋に居なかった
俺は彼らから離れようと決めた矢先に、突然一人にされてしまったのだ

「あの人たちにだってお仕事があるものね…」

いつまでも俺に付きっきりで居てもらえるわけではないんだ。
ふとテーブルを見ると朝食の準備が整っていた
毎朝東雲か沢木かどちらかが用意してくれているそれが、今日も置いてあった

もそもそと朝食を取り、後片付けをしてソファーに座る
時計を見ると朝8時
「あ、そっか。工場に行かなくていいから、何もすることがないや」
学校に行こうにも、ココからどう行っていいかもわからない
何もすることがないので、とりあえずテレビを見て時間を潰した


「…駆?」
気づくとすぐ傍に沢木が居た
「え?あれ?」
どうやらクッションを枕にして眠ってしまっていたらしい
「おはようございます。でも、ココで寝ていると風邪をひいてしまいますよ」
クスクスと軽く笑いながらつけたままになっていたテレビを沢木が消した
「あ…すみません。テレビ見てたはずなのに…」
「色々あって疲れが出ているんでしょう。布団で眠ってきたらどうですか?」
沢木にそう勧められたが首を横に振って拒否する
「そうですか、それじゃあちょっと外に出ませんか?丁度お昼ですし」
そう誘われて沢木と一緒に車で出かけることになった。
「えっと…お仕事、大丈夫なんですか?」
ラジオも付けず走る車内の沈黙に耐えられず、ちょっと躊躇いながらそう聞くと
「えぇ、急ぎの仕事はないですしね。あ、今朝はすみませんでした。東雲さんとちょっと色々ご挨拶に伺っていたんです」
「東雲さんと?」
二人は何だか仲が悪そうだと思っていただけに意外だった
「はい。駆の学校とかにも行ってきましたよ」
「えっ?」
自分絡みのことだとは思いもしなくてビックリした
「学校って…何で?」
「駆を無断欠席させてしまった挙句、警察にもお世話になってしまいましたからね。事情説明をしてきました」
そう言えば、学校には何も連絡していなかったことを思い出す
「先生方も心配されてましたよ。駆は欠席もなく真面目な子だったのに突然来なくなるし、家に行ってみても誰も出ないという状態だから何か事件に巻き込まれたんじゃないかと思っていた。と話してました」
「そっか…」
学校を辞めてきたと言うのかと心配してしまったけど、そういうのではないと分かり安心した
「駆、明日から学校に行きますか?」
「…うん。休んでも何もすることないし…」
「そうですか。じゃあ、明日からは学校までお送りいたしますね」
「…うん?」
思わず首を傾げると、不思議そうな顔で返された
「何か問題でもありました?」
「いやいやいや、学校に行くのに、何で送ってもらわないといけないのかな?って。一人で行けるよ?学校くらい」
そう返すと「あぁ…」と数回沢木は頷き
「ココから駆の学校までは結構距離があるのでお送りしますよ。勿論、迎えにも行きますから」
「えっ?遠いの?」
そう言えば、この辺りの風景なんて近所にないかもしれない…
「はい。駅1つ分くらいあります」
思わず顔が引きつった
駅1つ分。この地域の電車は1駅分が約3分くらいの距離がある
「そ、それは…遠いね」
「えぇ。なので、学校まではお送りしますよ。あ、いっそのことこの近所の学校に転校しますか?そうしたら通学には便利ですよね」
「いやいやいや、沢木さん。俺、自分の家に帰るよ」
「あの何もない家にですか?」
そう言い返されると何も言えない。
「駆は、私達と一緒に居るのはそんなに嫌ですか?」
少し悲しそうな眼でそう聞かれる
「嫌…じゃ、ないよ。ただ、沢木さんも東雲さんも色々お仕事あるでしょう?俺、邪魔じゃないかなって」
思ったことをそのまま言ったら、ガシッと頭をつかまれた
沢木さん。地味に痛いです!
「子供がそんなこと気にしなくていいんですよ」
そう言いながらガシガシと髪の毛を撫でる
痛い。痛いです!
「沢木さん…手、離して」
少し涙目になってしまった
「あ、すみません。力が強かったですね」
沢木が慌てた様子で手を離す
「けど、私達の仕事の心配まで、駆はしなくていいんですよ。私達は私達で勝手にお仕事しに行きますから。駆は気にしないで下さいね」
「う、うん」
Yes以外の答えは返せない状況で思わず頷き返した。
「あ、あのね…沢木さん。俺、一晩考えたんだ」
今する話しじゃないな思いながら、昨日の夜考えた結論を話すために運転中の沢木を見る
「…今後、どうするか…ですか?」
「うん。俺はやっぱり施設に行こうと思う。父さん達も連絡取りやすいだろうし、安心できるかなって思って」
沢木達の迷惑になるんじゃないかという部分は伏せておく
「そうですか…分かりました。でも、この話は東雲さんもいるところでゆっくり話し合いましょう。あ、着きましたよ。ココでお昼にしましょう」
丁度店に着き、車を止めた

折角ちょっとだけ勇気を出して言ってみたのに…
あっさりと話をかわされてしまったのはショックだった。
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