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志乃の不定期更新日記
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久しぶりな日記と日記SSです
後編書いてみましたw

きっと誰も見てないんだろうなーと思いながらも結構考えて作っている方だと思います

まぁ、比較的単純な話なので深く考えずに読めるという点では敵味方と同レベルだと思います

まぁ、短編ですしね。

さて今回は前回の続きということで
前回が気になる方は11月13日のブログをご覧くださいー



-----------------------

「で、お前はココで何をしていた?」
玄関から引きずられて今はリビングにいる
家具など何もないので床の上に俺と東雲と沢木の三人が座り、俺たちを囲むように強面な人たちが立っている
どうやら東雲の部下らしい
「え、えーっとぉー…」
どうしよう?ココの家の者です。と正直に言うべきだろうか?
「もしかして、君はココの家の息子ですか?確かこの家には一人息子が居ましたね」
沢木が思い出したようにそう言う
しっかりとこの家の家族構成を把握しているようだ
俺も諦めて「そうです」と頷き肯定した
「へぇー。息子ねぇー?知らなかったな。んで、名前は?」
正直に言うのも癪だったが、これからが怖いので仕方なく言う
「駆です。矢崎駆」
「矢崎駆か。それで、お前の両親はどこに行った?」
「知りませんよ。俺が知りたいくらい。朝まで普通だったのに帰ってきたら何もなくて…しかも、誰だか分からない貴方達は勝手に入ってくるし…本当に何なんだよ!」
最後には癇癪を起こしてしまった
本当に何でこんなことになっているのか知っているなら教えてほしい
どこに両親がいるのかも、知っているなら教えてほしい
何で?どうして?すべて俺が聞きたいことだ
「お前は知らなかったのか?」
「何をですか?」
主語が何か分からないのに知っているも何もないだろう!
少し怒り気味に聞き返した
「お前の両親の借金についてだ」
「…借金?」
嘘だろう?
いや、この状況を見たら『借金をしていた』というのも納得できるかもしれない
返済できず夜逃げなんてドラマとかでもよくある話じゃないか
「知らなかったみたいだな。暢気なもんだぜ」
東雲がタバコに火をつけてそう吐き出した
「まぁ、よくあることですよね。子供にはそんな裏事情を知らせたくないと思うんでしょう。結果的にはこうして最悪な事態になっているわけですけどね」
沢木もそう言って軽くため息をついた
「知らなかったにせよ、駆くんには申し訳ないですが両親の借金を背負って頂くことになるでしょうね」
借金を背負う…
自分の家族が作った負債なのだから仕方がないだろう
「俺は…どうなるんですか?」
自分のことだ。ショックが大きすぎて何も考えられないが、聞いておかなければいけない
「まぁ、幸いにも一生掛かって返せない…っていう額でもねぇから数年は真面目に働いてもらおうかねぇ?」
「いくらくらいあるんですか?」
「俺の所は1千万だ」
東雲は人差し指を立ててそう言った
「私の所でも1千万ですね」
沢木もそう言う
どうやら2箇所から借りていたようだ
「2千万…」
俺に返済することはできるだろうか?
「まぁ、顔も悪くねぇし、行くところに行けばあっという間だろうしなぁ?安心しろよ。すぐに返済できるって」
「またそうやって品のないことを。だから東雲さんは嫌なんですよ。駆くん、安心して下さい。少しは時間が掛かってもまともな仕事を紹介しますから」
にこりと優しそうに微笑む沢木
どちらにせよ返済プランは二人が組み立ててくれるのだろう
「…おまかせします」
今の自分にはそう言うことしかできない
「あっさりしてるなぁー?ま、喚かれるよりはマシだけどな」
「そういえば、駆くんには他に親族の方はいらっしゃらないの?」
親族。つまり、親戚はいないのかということだろう
しかし、言ってしまうときっと迷惑が掛かる
「いません」
制服のポケットに入れた両親からの紙は俺が出さなければ彼らにはわからない
はっきりといないと断言した
「そう…じゃあ、仕方がないですね。住む場所はこちらで手配しますね」
「…よろしくおねがいします」
すべて監視されるのは嫌だが、自分ではどうすることもできない
「東雲さん、これからどうしますか?」
「どうするもこーするもねぇだろ?こいつに働いて返してもらう。それだけだ」
「では、彼の働き場についてはこちらで用意しても構いませんね?」
「それは困る。こちらとしても確実に金が返って来ねぇと困るんだ。それに、お前が斡旋した職場なんて信用できるかよ」
同業同士の嫌悪でもあるのだろう
俺にはさっぱり理解できない話をしている
「そう言われましてもねぇ?あぁ、それではこういうのはどうですか?駆くんの両親が貴方のところで借りている1千万をうちで肩代わりするというのは」
「何でお前のところから金を貰わねぇといけねぇんだ!そんなことはごめんだな」
まったく融通が利かない
「埒が明きませんね」
「こいつについては俺が預かるし、先にうちの返済が終わったらお前のところにやるよ」
「それだと駆くんにかなりの負担が掛かるでしょう?まったく。そんな無茶なことばかり…だから客もすぐ逃げるんですよ」
「それはお前のところだって一緒だろ」
「貴方のところとうちを一緒にしないで下さい。不愉快です」
二人の話は脱線していく
「ねぇ!」
少し大きめな声で言った
二人の注目がこちらに向く
「できたら早くどうするのかまとめてほしいんだけど?話。脱線してる」
そう指摘すると「そうですね」と沢木が言い、咳払いをしてから
「東雲さんとしては確実にお金は回収したいけれど、私の所が肩代わりするお金は受け取りたくない。そういう主張でいいですね?」
「あぁ」
東雲は仕方なくという様子で頷いた
「こちらとしては、何年経ってでも返済して頂ければいいのですが、東雲さんが彼の働き場にと考えているような場所へは駆くんを送り出したくないんですよね。こちらとしても目の届く範囲に居て頂かなければ困りますし」
お互いの利害は一致していないようだ
「じゃあ、どーすんだよ」
「だから、うちが肩代わりすることを受け入れていただければすんなり話はまとまるんですけどね?または、こちらの斡旋する企業での仕事を見とめて頂ければいいわけです」
「チッ。本当に面倒だな。お前のところはよぉ!仕方ねぇ。お前の斡旋する場所でいいぜ。その代わり、こいつの住まいは俺とお前の両方が把握できるようにする。それでいいか?」
「えぇ。構いませんよ」
どうやら話がまとまったようだ

どちらにせよ俺にはこれから過酷な日々が待ち受けているのだろう
どうなるのだろうか
不安で押しつぶされそうになり、どんよりと暗い気持ちになっていく

窓の外を見上げると雲ひとつない青空が広がっている
今の俺の気持ちとは裏腹に…
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