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[過去編:in USA -vol.3 - カイルと友達]
※『 』は英語です。今回は英語頻出のため、表示を変えました
アメリカに来て数日
早くも試練のようです。
『お前、誰だ?』
目の前に立ちはだかる外国人が俺に何か言ってくる
が、英語が全く分からない俺には何を言っているのか分かりません!!
誰か!誰か助けて!!
一体何があったのかと言うと…
いつものようにカイルの家に遊びに来ただけなんだけどね。
いつものようにベルを押して、ドアを開けて貰ったら知らない人が立っていたんだ
ちなみにWitt家の家族構成はしっかり会ってすぐに聞いているからこの人はWitt家の人じゃないことは確実だ
カイルと両親の三人家族のはずだからね!
って、ことで…コイツは家族じゃないはず。じゃあ…誰だろう?
暫く知らない奴と見詰め合っていたらカイルが奥から出てきた
「オト?」
「カイ!」
ホッとして声を上げると目の前に居る奴の眉間にしわがよる
ん?ナニ?
『kylie、知り合いか?』
『うん、最近引っ越してきたお隣さん。ほら、邪魔だよ』
カイルが目の前の奴を退かして俺の手を引き部屋に入れてくれた
でも、じっと見られるとちょっと恥ずかしいんだけど…
「えーっと…カイ、今日来たらまずかったかな?」
「ン?オト?」
「だから…えっと、邪魔だった?えーっと、邪魔って英語だと何て言うんだろう?」
困っていると
「ジャマ、ナイヨ。オト、Come、知ってる」
ニコリと微笑みそう言ってくれた。
だから少しだけ安心できた
「そっか。良かった」
ニコリと微笑み返し、続けて質問する
「じゃあ、彼は誰?」
彼と知らない奴を見て聞くと
「My Friend」
俺にそう答えてから
『アル、自己紹介して。あ、言葉分からないからゆっくり話してあげてよ』
ともう一人の方に言った
早くてよく分からなかったけど、もう一人が頷いて
『俺はalbert Duke Barclay、ヨロシクな』
と言った
自己紹介ってことは分かったので俺も名前を言った
「My name is Oto Arasawa nice to meet you too」
先日のカイルとの自己紹介のやりとりでコレは覚えた
「カイ、彼はえーっと、アルバートでいいの?」
「OK、アルバート、皆、アル、呼ぶ」
なるほど、じゃあ俺も「アル」って呼んだ方がいいのかな
「アル、ヨロシクね」
改めてそう呼ぶとアルは少し困ったような表情を浮かべてカイルと何か話していた
何話してるのか分からない
最近、ようやくカイルとは片言や単語同士で意思疎通が図れるようになったばかりなだけに言葉の壁が物凄く分厚く感じる
「オト、Come on」
おいでと手招きするカイルの後についていく
行き先はカイルの部屋…と、思いきや庭だった
アルに何か言った後、カイルは俺に「待ってて」と言って部屋に戻って行った
でも…初対面の人と…しかも、言葉の通じない人と二人きりで放置って少し酷くない?
どうしたらいいのだろうかと内心うろたえていると
「Oto」
と話しかけられた
そっちを見ると
「えっうわっ、ちょっと!」
ポイッとボールを放られた
慌ててキャッチすると、次にジェスチャーでバスケットゴールを指す
入れろってこと?
投げると入る前に取られてアルがダンクシュートを決めた
おぉー、凄い。と思ったけど、その反面何がしたかったのか分からず首を傾げる
「Oto try」
「try?え、俺?ダンクを?」
自分を指差した後にゴールを指すと頷かれ、ボールを投げられた
ダンクシュートなんてやったことないんだけど…
「えーっと…」
ゴール下まで行ってジャンプ…したけど、当然ゴールまで手が届かない
何回かやっていると背後で爆笑された
ちょっと!やれって言ったくせに笑わないでよ!
「アル!」
ムゥッと怒りを表情に抱いて声を低くすると俺の変化に気付いたのか「Sory」と謝ってきた
そこに丁度カイルが飲み物を持って帰ってくる
「オト?」
俺が怒っていることに気付いたカイルはすぐにアルに何があったのか問い詰めていたが事情が分かったのか
「オト、ゴメンネ?アル、一緒、バスケ」
と伝えてきた
何だ。別にダンクシュートしろって言ってたわけじゃなかったんだ
「アル!シュート!」
仲直りのつもりでボールをアルに投げると笑って頷きゴールに入れてくれた
それから暫くアルとカイルとボールで遊んでいるうちにアルと随分親しくなれた
ゴールを外すと「オト、ダセェー」と言われるくらいに
「ダサイ」なんて言葉教えるんじゃなかった!!
End
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vol.1とvo.2では梨斗を多少絡めてましたが今回はアルを登場させたかったので抜いてみましたw
アメリカでの友達。新キャラです^^
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